杢保小児科医院(小児科・アレルギー科・予防接種) 〒762-0082 香川県丸亀市飯山町川原972-1 TEL:0877-98-2010

こどもの病気|杢保小児科医院(もくぼしょうにかいいん)小児科・アレルギー科・予防接種

こどもの病気とケア

風邪と抗生物質
 まず、風邪の話をしましょう。

 一般的に多くの風邪の原因はウイルスです。ウイルスとは細菌よりも小さな病原体です。その小さなウイルスが鼻や喉の粘膜にくっついて増殖し、私たちのからだはそれを排除しようと鼻水や咳を出します。これが風邪なのです。ウイルスにはたくさんの種類があります。ひとくくりに風邪と言っても、実は一回一回違うウイルスが原因となっているのです。

 風邪はどうして治るのでしょう。ウイルスが鼻や喉で増殖すると、体に備わっている免疫が働きウイルスをやっつけてくれます。この免疫の力で風邪は治るのです。

 では、抗生物質とは何でしょうか。

 抗生物質とはおおざっぱに言うと細菌を殺す薬です。細菌と聞くと悪役を思い浮かべますが、細菌にも色々な細菌がいます。一部の細菌と人は普段は問題なく共存しています。例えば皮膚や喉に細菌がいつもいますが何事も無く一緒にすごしています。また、腸の中には善玉菌が住んでいて私たちの健康を守ってくれています。その反対に毒性の強い細菌がいます。それらが私たちを攻撃してくるときに抗生剤は使われます。ウイルスと細菌は違う病原体ですので、抗生物質はウイルスには作用しません。抗生物質は風邪薬ではないのです。

 ところが、風邪でも抗生物質が必要となる時があります。風邪をひきそれが長引いてくると私たちの免疫力が落ちてきます。すると今までおとなしくしていた鼻や喉の細菌が悪さをし始めます。その結果、膿のような鼻水が出たりしてくるのです。それでも免疫が頑張ってそれを抑える事ができれば治りますが、時には負けてもっとこじれることがあります。そういう時には抗生物質が必要となります。

 本来、抗生物質は慎重に使うべきだと言われています。風邪は自分の免疫で戦うことが大切です。その繰り返しが免疫力を高めます。抗生物質は、風邪が長引き細菌感染をおこしこじれてきた時に使うのが理想です。ところが、現在の社会では「病気は好ましくないもの」で、忙しい生活の中では「早く治って欲しいもの」なのです。それゆえ抗生物質は必要となる時期より早くから使われる事が増えてしまっています。子どもが病気をした時にきちんと介護できる状況が整っているともっと良い治療ができるのではないかと常々思います。

 以上は、あくまで一般論です。子どもは一人一人体質が違います。治療についてはその都度主治医の先生と相談していきましょう。 

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